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ところで、ニ乃鳥居、というからには一乃鳥居があるわけで、昨年参詣したときは一乃鳥居を見ていない。 たしか石標に架かっている注連縄を一乃鳥居だとかん違いして、枚岡の参道は随分と短いのだなあ、などとぼんやり過ごしてしまった。 上代のころ勅旨でもって創祀され旧官幣大社でもある枚岡大神の神社地がそんなちいさな規模なはずもなく、今回の参詣では一乃鳥居もぜひ見ておこうとおもっていた。 今からその一乃鳥居に向かおうというわけだが、よくかんがえると参道には近鉄奈良線が横たわっていて、つまり枚岡の参道は分断されている。 生駒山麓一帯は古くから開けた歴史あるところで、枚岡神社はむろんのこと、石切神社などの古社寺・遺跡・古墳群が多く点在する。 そこに宅地化が著しくなったのは近鉄奈良線が通じだしてからのことらしい。 わたしは石段を下りて地下通路から駅の向こう側へ出た。 行けども住宅地を歩いているにすぎず平凡な家並がつづいた。 中途でひきかえしリトルカブで参道を下ることにした。 東高野街道はその名のとおり京から高野山へゆく街道のひとつで、別称 「紀伊みち」、「京みち」 と呼ばれた。 上り下りでその名を言い分けてたのだろう。 街道は京都九条にある東寺を起点とし、伏見を経て木津川を渡り洞が峠を越え河内に入国する。 生駒山西麓を南へすすみ大和川など渡り紀伊国・高野山へのみちなのだが、古代における河内の平野部は沼沢・低湿地ばかりだったため、真言密教徒でなくても唯一の南北道として重要な街道であったろう。 京師から、天空都市とも言える高野へくだるその街道途中に、河内国一之宮・平岡社の鳥居がそびえている。 この一乃鳥居からが枚岡神社の神社地らしいが現今でもそうなのだろうか。 往時はこの一乃鳥居から神社までの参道を 「松の馬場」 と呼んだらしい。 鳥居のそばにプレートが立ててあって、そこに地図が載っていた。 地区で言えば 「中垣内」 から 「下六万寺」 あたりまでを抜粋した絵図 『河内細見図』 (安永五年・1776年刊行) というもので、参道両脇には松が櫛比に植えられていた様子がわかる。 往時は松並木が境内まで続いていたのだろう。 ところで松の馬場というからには、乗馬の稽古がさかんだった時期でもあったのだろうか。 絵図には生駒山脈が南北に横たわり、平岡社神域には囲むようにして樹木が豊富に描かれている。 いかにも神々が降下してきそうである。 そのことが他の部分より明快に際立っていて、河内国一之宮・平岡社のおおきさが推してはかれた。 現今、一乃鳥居から東を望む景色には残念ながら松並木などなくひんやりとした諸々の建物がつづくだけだが、それでも生駒山は往昔のままのすがたであろう。 鳥居をくぐるまえから聖地・神津嶽が望見でき、殷賑というよりは松並木の参道をしずかに歩む往時のひとびとの姿が点点と見えてきて、勝手な想像ながら色彩も黒褐色でなにやらものさびしい。 旅人は神妙な面持ちで平岡大神に旅の安全を祈念したことだろう。 高野へゆくにも京へのぼるにも、ここからの道のりはまだまだ長く嶮しい。 ちなみ、傍らにある灯籠はいぜん鳥居の中央部に建てられていた。 それに灯明を入れることもしばしばあったろうから、闇のなかに鳥居が仄かに浮かびあがり、その奥にくろぐろとした松並木がつづく参詣みちは漠然とおそろしい雰囲気であったに相違ない。 そのなかを、修験者が金剛杖をつきながらしずしずとのぼってゆくのである。 維新前は神仏習合の時代でもあり、とかくにこの京・紀伊みちをゆくひとびとにとって東に連なる霊山は神々しくも畏しい神秘霊妙な存在であった。 ひとりの現代人が一乃鳥居そばで佇んでいる。 左頬に手をあてて東方を望んでいた。 「巫女さんすみません、その白いのがいい。 白をください」 「お守りだけでなくこちらも?」 「ええ、出窓に飾ります」 「講堂か食堂などに出窓がおありなんですか」 「あの、わたしはお坊さんではないですよ、普通の人間です」 「まあ、わたしはてっきり・・・それは失礼しました」 「ところであの・・・おみくじも引きたいのですが」 はい、とまゆを上げ笑顔になった巫女さんが一個の白い花のように見えた。 あるいは神苑の梅花の妖精が巫女に憑き、今年一番に咲いた花をわたしにもたらしてくれたのかもしれない。
by utaushimoyama
| 2014-02-02 11:16
| 河内國一之宮枚岡神社
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