土日が休日のわたしは、朝から旅の記事を書く。
その記事をどのようにするか着想するのも朝で、決定的にアップするのもだいたい午前中が多い。 最近の密かな楽しみはそのときに菓子パンとかサンドイッチを食いながら、ということである。
今朝は全粒粉の食パンだかなんだかでサンドイッチをつくった。 バナナも食う。 むろん、これで足りなかったらいけないのでチョコパンも買ってある。 そのときの飲み物である缶コーヒーはバイト先の営業Hさんが、
「まあまあたまには」
と、徳人だけが身にまとうたるその空気を侍者とし、そう言うホウベンでもってタマにでないのにいつもくれるし、得意先のとある葬儀屋さんは配達のたびに
「はいはい、いつもありがとうね」
と言いながら缶コーヒーをくれる。 いっけん映画の中のシシリー島の古参マフィアみたいな雰囲気風貌の葬儀屋なのだが、そのマフィアが不在のときは所定の場所に缶コーヒーが置いてあって、さきの夏場などはそれに付箋が貼ってあり、
「冷たいのが二階の冷蔵庫にあるのでそれと交換してください」
と、あるのである。 古参マフィアの手の甲にクチヅケたくなるのは、同じ経験をすればなにもわたしばかりの感動ではないであろう。 月ようから金、つづけざまに配達することもあるので缶コーヒーばかりではとペットボトルのお茶とかミネラルウォーター、よほど困らせたのかヤクルトなんてときもあった。
なので至福の時間といえる土日午前中のドリンク類には事欠かない。 わたしは自分が事切れたあと葬式などは無用だという人間だが、もしのこされたものが世間体のことをおもってどうしようもないと言うのなら、この葬儀屋を遺言するかもしれない。
今朝はその旅記事のまえに扇風機をしまったりさきの旅で参拝した文殊菩薩の寺で購った手ぬぐいをかけてみたりして夏を整頓をしつつ、今月翌週の三連休をどう過ごすかなど思案しつつ、ヒトキジ書いた今は酒を飲んでいる。
飲酒さなかの戯れ事たるこの記事だが、この稿もいつか削除するが、わたしの至福の時間はそういったひとたちのしぜんとした行いに拠るものが多い。 週末だからうれしい、というのは、突き詰めればその過去に経験し出会ったひとたちの、にあるのであろう。